こんにちはヤマピーブラックです。

さて、今回は『メモの魔力』(前田裕二著)のレビューの第3回目、ラストです!

第1回はこちら
第2回はこちら

本編の内容については第1回と第2回で概ね触れてきましたが、この本にはそれ以外の魅力もあると私は感じています。それは著者の前田裕二さんの人となりに関わる部分が大きいです。

今回はそこのところを突っ込んでいきましょう。

メモ①:インタラクティブな本

本書が発売される前に、ツイッターでこんな企画がありました。

なんと本づくりに読者が参加できる企画です。インタラクティブな本づくりがされているということです。

そしてできあがったのがこちら。

こちらの通り、本書の最後にはおびただしい数の読者の人生の軸が並べられています。ページの都合でギュウギュウに詰めたんだと思います(見づらいです笑)。

それだけではなく、前田裕二さんはツイッターでメンションをつけてメッセージを送ると、ひとつひとつ丁寧に対応してくれます。もちろん忙しい方ですし、かなりの数のメッセージが届いていると思うので、必ずしも全部ではないと思いますが、ツイッターを見ていると、かなりの数のメッセージに対して丁寧に対応されている姿が伺えます。

以前に私のツイートにも反応して頂きました(Twitter)。当ブログ(人生の勝算』の記事)も読んで頂けたようです。ありがとうございます。

ですが、経営者として多忙な毎日を送る中、そこまでする、そこまでできるモチベーションは一体なんなのでしょうか?

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メモ②:実践している効果がわかる本

インタラクティブなツイッターのやり取り。このモチベーションの源泉は、前田さんが自身の自己分析を通して、自分の『人生の軸』、自分の『人生のコンパス』を見つけているからだと思います。そこに向かっているとわかっているからこそ、モチベーションが生まれてくる。

小学校6年生のときに担任をしてくれていた吉野先生に至っては、僕がまとめたノートを学校中のあらゆる場所で開いて、「みんな、前田くんのノートを見習って!」と言って回ってくれた。

幼い頃に母親を亡くした前田さんにとって、「吉野先生」の存在は特別だったようです。前田さんは、本の読者の皆さんにとっての「吉野先生」になりたいと。それがモチベーションになっているそうです。

メモの魔力』に書いてあることを最も実践しているのが前田さん自身であり、その効果のほどは前田さんのツイッターなどに現れているということですね。

メモ③:自分の過去を思い出させる本

このレビューもいよいよ最後の章となりますが、同じく『メモの魔力』の『終章』には前田裕二さんの率直な思いが書かれています。実は最後のこの部分が一番心を揺さぶられるところかもしれません。

自分の当時の心の奥底を見つめてえぐり出すと、多分それは、「兄を喜ばせる」なんて崇高で利他的なものではなかった。むしろ、「自分が愛されるため」という、とても利己的な欲求に根ざした行動だったんじゃないか、とも思うのです。

母親を亡くされたこともあり、当時の幼かった前田さんは承認欲求の塊だったそうです。人から愛されたい。そんな気持ちが人一倍強く、利他的ではなく、利己的な欲求に繋がっていたのかも知れません。

著者自身の内面が、ここまでさらけ出して書かれているビジネス書が他に存在したでしょうか。

ここまで読んでいて、私は自然と自分の幼い頃を思い出していました。

確か小学4年生の頃です。
学校で、「毎日、線だけ引かれた白紙のA4用紙1枚を提出する」という一風変わった宿題が出されました。何を書いてもよいのです。ある生徒は公文で解いた算数の問題を、ある生徒は好きな詩の一節を書き写して提出したりしていました。

私は何を書くか考えた結果、算数の問題にプラスして、読んだ本の感想を少しずつ書くことにしました。1日3行ほどです。

読んだ本は『ソフィーの世界』という本です。当時私の母親が読んでいた本でした。600ページ程ある分厚いハードカバーの本で、内容はなんと哲学の本です。
当時の私は、年に1、2冊しか本を読みませんでした。それなのに急にハードルの高い本を選んだものです。おそらく「毎日3行分を埋めるネタに困らなくなる」という気持ちで選んだのだと思います。

毎日1、2ページという超スローペースで本を読み、その感想を3行ほど書いて宿題として提出しました。こうしてしばらくすると、担任の先生が私の感想文を取り上げてくれたのです。それがクラス中で話題になり、みんなが『ソフィーの世界』を買って読み始めるようになりました。果てはクリスマスプレゼントに『ソフィーの世界』を頼むクラスメイトさえ現れました。

こうして、私はムーブメントの火付け役となることができたのです。

現在、私がこうやって読書ブログを書き続けているのは、その時のうれしさが自分の中に残っているからだと、『メモの魔力』を読みながらはっきりと認識させられました。

ある意味、あの頃から何も変わってないんだなあと思います。悪い意味ではなく、自分の幼い頃の原体験というのは自分の中に強烈に残っており、それを認識することが重要。つまり自分にとっての幸福とは何かを認識し、その方向に向かって舵を切ることが重要だということです。

メモの魔力』を読んでいると、誰しも強制的に過去の自分に向き合うことになると思います。

まだわたしは『メモの魔力』の自己分析1000問にチャレンジしていませんが、結果はまたこのブログに投稿しようと思います。

長くなりましたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました。そして、私の原体験を思い出させてくれた前田裕二さんと『メモの魔力』に感謝します。