「量子コンピュータ」。
 

確実にこれから来るキーワードだろう。
なんとなんと、
スーパーコンピュータで
10万年かかっても解けない問題を、
わずか数秒で解く力があるという。
 

本書の副題は『Google、NASAで実用が始まった”夢の計算機”』。
そう、世界のテック企業がこぞって量子コンピュータ
争いを繰り広げている。

 

私は今、量子コンピュータの原理を理解しようと
学習中なのだが、いかんせん難しい。
 

本書の著者、竹内薫氏は、NHKのテレビ番組
『サイエンスZERO』の解説員としておなじみである。
 

そこで本書であればやさしく量子コンピュータを
解説してくれるだろうと期待し、
購入した。
 

結論から言うと、、、
うーん、、、
まあなんとなくわかったような気がする。
 

まず、本書の構成として、
コンピュータの歴史の解説が
最初から8割くらいを占めており、
量子コンピュータは最後の2割しか出てこない。
 

一般人向けとは言え、さっさと量子コンピュータの
話をして欲しかった。
 

量子コンピュータ部分の解説はわかりやすいんだと思うが、
スッキリとはしなかったというのが率直なところだ。
 

普通、コンピュータは0と1でなりたっているが、
なんと量子コンピュータの「量子」は0と1の両方の状態を取りうる。
 

それは確率の問題らしい。
0になる確率もあれば1になる確率もある。
 

与えらた問題に応じて条件を変え、
あとは冷やす、などしてエネルギーを最小状態にしてやれば、
その時の量子の状態が答えとなるのだそうだ。
 

こんな感じのところまで理解できたが、
やはり難しいなあ。
 

学習は継続するが、
少し考え方を変えて、完璧に理解するのは不可能な気がしてきた。
ディープラーニングのニューラルネットワークだって、
中はどうなっているのかよくわからない。
そういうものだという割り切りも必要なのかもしれない。
 

ただ、量子コンピュータがクラウドで提供されたり
する世の中になれば、
ぜひともそれでプログラミングしてみたいものだ。
 

ちなみに、スパコンが10万年かかっても
解けない問題というのは、
例えば膨大な桁数の素因数分解だ。
 

詳しくは以下の『暗号解読』という本を読むとよくわかるが、
現代の暗号技術は素因数分解をベースに
つくられている。
 

素因数分解が解ける=暗号が破られてしまう
ということ。
つまり、
秘密の情報がなんでも見放題となってしまう。
 

こうなると、
仮想通貨も盗まれ放題となるわけだ。
 

ダメじゃん、という話だが、
なんと量子コンピュータに破られない
「量子暗号」も目下開発中であるらしい。
 

暗号の歴史はまだまだ続きますね。